B to B SaaSの7年目エンジニアが大切にしていること

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こちらのエントリの内容が頷ける内容も多分に含まれて大変勉強になりました。

新卒でエンジニアになってから、WebアプリケーションエンジニアやiOSエンジニアとして7年が過ぎました。29歳の時点でキャリアのほぼ全て業務向けソフトウェア、B to B SaaSで過ごしてきました。

ありがたいことにSansanという組織にIPO前からの成長期に入社でき、PdMを一時期担うこともありました。いまはスタートアップのB to B SaaSでエンジニアとして勤務しています。

10年目に前述した記事を書けるようになるために、このタイミングでエンジニアとして、B to B SaaSの人として、仕事人として3項目で考えてみたことをまとめてみることにします。

Engineering

技術選定はプラクティスに沿う

エンジニアである以上は、プログラミング言語、アーキテクチャ、テーブル設計、コンポーネント設計などを選択する場面は多い。 どの技術に対するものであっても、基本的なプラクティスがほぼ必ず存在する。特定の技術を採用するなら、そのプラクティスを徹底的に理解し、実践していくことを惜しまない。

技術選定はプロダクトへの投資であり、内向きの開発スピードや質への影響のみならず、将来迎えるエンジニアの母集団を形成する。

YAGNIを言い訳にしない

YAGNIはモノづくりにおける基本思想であり、特にソフトウェアに関しては、作り込みすぎる必要性は全く持ってない。 一方でYAGNIに囚われて、あらゆるものを十把一絡げにカットしようとしてはいけない。エンジニアなのだから、作るものにこだわりを持つことを大切にする。

あえて粒度が小さい例であれば、アニメーションなどは最たる例。

これまでの現場からしても、要件として定まらないことも多いため、時間に追われて度外視しがち。プラスアルファの磨き込みはエンジニアだからこそ手を加えられるものだと認識する。 「YAGNIだからやらない」は概ね正しいが、「やらない」が積み上がった結果は、雪だるま式で大きくなっていき、プロダクトのUXへと繋がる

技術的負債へはリスペクトをもって

どの現場であっても、コードを産み出したその瞬間から、確実に技術的負債は積もっていく。 コードも人も恨まない。 粛々とIssueを積んで優先度をつけて解消する。

技術的負債の解消はエンジニアとして成長のチャンスくらいに捉えてよい。 そして開発者体験への努力を惜しまない。それが周りめぐってリリースの回数や質を高め、ましてユーザに届く。

まず原典にあたること

言わずもがなだが、絶対に原典を見ること。 QiitaやZennの記事がまず目に入るが、何よりも最初は原典のチュートリアルやリファレンスを読むべき。さらに生成AIの発展によりChatGPTやClaudeにひとまず聞いてしまうことも多くなった。

特に入門の時期は右も左もわからないため、頼りがちになるが、原典のチュートリアルを最初に当たるほうが確実に好ましい。 これは習慣化の話であるため、自分の意識に徹底的に叩き込んで、矯正していくこと。

PRレビューの質は仕事量のバロメータ

大前提としてPRレビューは出来る限り早く返信する。二人レビューするとして、実装者が1週間で完了に出来る程度が理想。 他の仕事が忙しくてレビューができないほどの状態になっているときは、自分の仕事量を相談して見直す。そうなりたくないものの、忙しすぎるとレビューがおざなりになる可能性が高まる。

ある意味で仕事量のバロメータになる。質を落とさないように仕事量を増やすことはなかなか難しい。

BtoB SaaS

フロント組織との一体感の醸成に力を入れる

普段関わるプロダクトマネージャーやデザイナーとの議論の末に出来たものが世の中に出る。セールス、CS、サポート、マーケなどのメンバーからすれば、結論だけを受け取ることも多々ある。 案件の立ち上げ当初には巻き込んでいたとしても、現実的に開発中のブラッシュアップを全て見せるわけにもいかない。

この隔離感がプロダクト組織とフロント組織の一体感の壁になるところ。毎日のように顧客と接するのは、フロントメンバーであり、リスペクトをもって密に連携することを忘れない。

互いにリスペクトがある状態がベスト。その状態を作るための努力を惜しまない。

地味な仕事こそ肝要である

B to B SaaSは、見た目は地味な仕事も非常に多く、認証認可基盤、セキュリティ対策、認証制度の導入、他社プロダクトとの連携など、実際は新規受注やアップセルに繋がるものの、社外へのインパクトとしては薄いものも多い。

ときには、顧客から受け取ったエクセルのシートを眺めたり、CSVと格闘したりしなければいけないこともある。 しかし、そういった仕事の一つ一つが、顧客への信頼につながっていく肝要な仕事である。

エンタープライズ向けの案件などは顕著に地味になることは多いが、社内社外問わずインパクトは高い。

Common

当たり前なものが多いので箇条書き。

  • 身体とメンタルはつながっている。運動をすること。良い食習慣をすること。
  • 人には明るく接する。仕事で厳しくしたとしても、一人間としては常に明るく。
  • 強みを発揮できる仕事を知り、苦手な仕事が何かを理解する
  • アウトプットを太くする。アウトプットは個人でも太く出来る。アウトカムはチームの成果。

以上です。3年後見返します。